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■ 日本行動科学学会ニューズレターバックナンバー
2014年度 No.1 (2014年5月15日発行)
1. 重要なお知らせ:ニューズレターのメーリングリスト化について
2. 第22回日本行動科学学会年次大会のご案内
3. 第30回ウィンターカンファレンスin Kagawaのご報告
4. 2013年度総会報告
5. 若手の会からのご報告
6. 行動科学ブックレットシリーズ 原稿募集のお知らせ
7. 編集委員会からのお知らせ
8. 企画委員会からのお知らせ
9. ホームページ掲載情報のお知らせ
10. 事務局からのお願い
11. ダウンロード
(事務局長 田中芳幸)
前回総会にて会員への情報伝達をスムーズにしたり電子版のニューズレターを発行したりすること等を目的として提案されメーリングリストの作成を広報委員会と共に進めることになりました。メーリングリストの作成状況にもよりますが、可能であれば今年度事業として、メーリングリストでのニューズレター配信を進めていきます。メールアドレスが登録されている会員の皆様には、基本的にメーリングリストでのニューズレター配信に切り替えていく予定です。ただし、メールアドレスが登録されていない方やメールアドレスが無効の方、従来の配信方法を希望する方に対して・ヘ、紙媒体のニューズレターを郵送いたします。このことに関連しまして、学会事務局へのメールアドレスのご登録を可能な限りお願いしております。事務局に登録されている会員の皆さまの情報を雑誌52(2)に同封いたしましたので、お目通しの上、最新の住所等とともに、事務局へご登録いただきますようお願いいたします。メールアドレス欄が空欄の方は、可能な限りご登録をお願いいたします。修正が必要な方は、できるだけメールにて、難しい場合にはFAXや郵送にて事務局宛てにご連絡ください。
事務局メールアドレス jabs.office[at]gmail.com ([at]->@)
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2. 第22回日本行動科学学会 年次大会のご案内
(大会長 坂本敏郎・京都橘大学)
今年度の年次大会は京都橘大学(京都市山科区)でお世話させて頂きます。本学では2012年4月に理学療法学科と心理学科からなる健康科学部が設置され、「こころとからだの健康と臨床」に関する教育・研究が始まりました。音羽山の麓にある新しい学舎、優心館で皆様をお待ちしています。本大会では、会長特別講演、招待講演に加えまして、若手研究者によるシンポジウムを企画いたしました。発表者の先生方には、ご専門の領域における最先端の研究発表を行っていただきます。基礎研究から臨床研究まで、動物を対象とした研究からヒトを対象にした研究まで、幅広い行動科学研究が展開されることでしょう。また、本学会特有の厳しくも温かい議論が活発に交わされ、研究者同志の交流が深まることも期待しております。皆様、奮ってご参加下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
【日時】 2014年9月9日(火)13:00〜18:00
【場所】 京都橘大学優心館E201号室
【テーマ】 行動科学研究の最先端:基礎から臨床、ヒトから動物まで、幅広く行動科学研究を展開する
【企画者】 坂本敏郎、上北朋子、田中芳幸(京都橘大学)
【プログラム】
会長特別講演:津田彰先生(久留米大学)(健康心理学)
招待講演:谷内通先生(金沢大学)(動物心理学)
若手シンポジウム
1)篠原恵介先生(同志社大学)(生理心理学)
2)藤村友美先生(独立行政法人産業技術総合研究所)(感情心理学)
3)中川明仁先生(京都橘大学)(健康心理学)
4)大杉紘徳先生(京都橘大学)(理学療法学)
【参加費】 学会員(1000円)/非学会員(1500円)
【懇親会】
大会終了後、山科駅前にて懇親会を予定しています。研究者同志の交流や情報交換の場となりますよう、多数のご参加をお待ちしています。
【大会参加申し込み】
2014年8月31日(日)までに、参加者名、ご所属、懇親会参加の有無を下記の大会事務局まで、e-mailにてお知らせください。
【連絡先:大会事務局】
京都橘大学健康科学部 心理学科(坂本研究室)
〒607-8175 京都市山科区大宅山田町34
TEL 075-574-4307(直通)/Fax 075-574-4122
大会用アドレス:jabs-taikai[at]tachibana-u.ac.jp([at]->@)
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3. 第30回ウィンターカンファレンスin Kagawaのご報告
(大会長 大木 祐治・四国学院大学)
3月19日(水)と20日(木)の2日間に渡りまして、第30回ウィンターカンファレンスが香川県琴平町の「ことひら温泉 琴参閣」で開催されました。以下に、その状況等について簡潔にご報告させていただきます。今回の講演は、昨年同様に特別講演2題と教育講演及び招待講演を各1題ずつの計4題をお願いしました。開催地の香川県にゆかりのある方々や、私個人と縁のある方々をお呼び致しました。また、若手研究者によるシンポジウムには、5名の方々に話題提供をしていただきました。最終的には、予定した発表者枠以上に申し込みがあり、時間枠の都合上、発表受付をお断りさせていただいた方もおられ、大会長としては嬉しい悲鳴をあげるような状況でした。ただ、お断りした方に対しては非常に申し訳ない思いでありました。初日は、まずは思春期やせ症に対する家族療法を共通テーマとして、石川元先生(香川大学)と東豊先生(龍谷大学)のお二人にご講演をしていただいた。お二人とも、日本ではその療法の草分け的存在の方々であり、その経験を踏まえられた回顧譚的な内容のお話でありました。10年スパーンで療法のあり方が少しずつ変化してきたことが窺えま・オた。残念であったのは、石川先生がご準備されていたDVDを映す事ができない事態となり、具体的な治療風景を拝見することが叶わなかった事でありました。初日後半のシンポジウムでは、この大会の特徴でもある、発表を遮っての質疑応答が活発となり、真剣な議論が大いになされた。したがって、時間もかなりずれ込み、全体の終了時間が1時間以上も遅くなるという状態となり、日付が変わる時刻近くまで盛り上がっていました。2日目は、あいにく朝から小雨がぱらつくという天候となり、こんぴらの石段を登るには問題はそれほど無かったものの、本宮で讃岐富士を眺望するのは叶わなかったようでした。それでも多くの方々が石段登りをされたり、うどん屋さんに行かれ、讃岐うどんを堪能されたりしたようでした。夕食後の発表の部では、まずは投石保広先生(名古屋大学)に教育講演として、昨年に続き、セリエのストレス理論の問題点についてご講演をしていただきました。実験データを統計分析し直された結果、ストレスの原因はすべて心理的原因であると結論されていました。続いて、浅川希洋志先生(法政大学)には、招待講演としてフロー理論について、実証的なデータも挙げながら解説をしていただきました。この講演に対しては、津田会長を初めとして多くの方からの質問がなされ、フロア全体が盛り上がった感がありました。この後、前日に続いての若手研究者によるシンポジウムとして3題の発表がなされました。ここでも、フロアからの発言が相次ぎ、それぞれに活発な議論がなされました。その結果、前日の晩と同様に、全体の終了時刻が1時間ほど延びる状態になってしまいました。2日とも、2次会では、例年の通り深夜までさらに議論がかわされ、また会場では聞けないような内容の話で、大いに盛り上がったりもしておりました。それにしても、疲れを知らないような方が多くおられたのに、少々驚かされました。日程を終えての今回の反省点としては、時間の設定の問題が挙げられると思います。初日の拡大運営委員会が、まず大幅に時間が後ろにずれ込み、夕食の開始時刻ぎりぎりになったことを皮切りに、その後のスケジュールもさらに遅れていきました。時間の都合上、総会を夕食時に重ねたことも、時間がずれ込む一因になったと思われます。この日は、宿泊されない参加者が2名おられたのですが、この日の最後の発表前に帰らざるを得ない状況になられたようでした。議論が活発になるのは、この会の良き特徴では・るのですが、予定時刻より大幅にずれるのは、今後検討の必要があると感じました。さらには、発表の時間帯をこれまで夕食後に決めておりましたが、時間が押す今回のような状況を鑑みると、開始の時間をもっと早めて、夕食の2時間前に設定することなども今後検討されてみるのも良いのではないかと感じました。次回以降、ぜひともこの全体の時間設定を考慮していただければと思います。最後に、今大会での発表者及び発表題目を、改めて以下にご紹介しておきます。ご発表をしていただいた方々は勿論のこと、ご参加いただいた方々全員、さらにはご協力いただいた多くの皆様に心より御礼を申し上げます。
【大会第1日目(3月19日)】
●司会・進行:大木祐治(四国学院大学)
特別講演1 石川 元(香川大学付属病院)
『思春期やせ症―システム論家族療法での臨床と同症モデル動物での実験』
特別講演2 東 豊(龍谷大学)
『家族療法、あるいはブリーフセラピーの考え方と方法−摂食障害の事例を通して−』
●司会・進行:柳井修一
(東京都健康長寿医療センター研究所)
シンポジウム1-1
瀬戸 友紀奈(北海道大学大学院)
『周産期の甲状腺ホルモン阻害がラットの移動的注意に及ぼす影響』
シンポジウム1-2
岡島 義(睡眠総合ケアクリニック代々木)
『向精神薬を服用している妊娠希望の不眠症患者に対する認知行動療法の実践』
【大会第2日目(3月20日)】
●司会・進行:大木祐治(四国学院大学)
教育講演 投石 保広(名古屋大学)
『Selyeのストレス理論は彼自身の実験データによって証明されなかった』
招待講演 浅川 希洋志(法政大学)
『フロー経験―ポジティブな発達と心理的ウェルビーイングへの可能性』
●司会・進行:高瀬堅吉(東邦大学)
シンポジウム2-1
柳井修一・仙葉悠紀・遠藤昌吾
(東京都健康長寿医療センター研究所)
『2011年東日本大震災に伴うマウスの行動変化に及ぼすジアゼパムの効果』
シンポジウム2-2
遠藤 美行(同志社大学大学院)
『幼児期の社会性発達における視点取得能力の役割の検討』
シンポジウム2-3
大藤 弘典(広島国際大学)
『状況に応じた空間表象の動的変化の過程』

ウィンターカンファレンスの様子
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4. 2013年度総会報告
(事務局長 田中芳幸)
2013年度総会が、ことひら温泉琴参閣において2014年3月19日に開催されました。
定足数に達しませんでしたので、仮総会となり、審議事項の承認はこのニューズレターの告知によって行われます。以下に、提出された議案ならびに仮総会での審議の経過を掲載しますので、原案に異議のある会員は、7月31日までに、事務局までメール等でご意見をお寄せ下さいますようお願い申し上げます。会則によれば、ニューズレター送付から2ヶ月以内に会員総数の過半数が文書によって反対すれば決議が無効になります。ご異議が寄せられなかった場合は、承認されたものとみなします。
【報告事項】
1) 会員の異動(事務局)
2014年2月末日現在の会員数が202名(内、名誉会員2名)である旨、事務局から報告された。このうち9名が住所不明となっている。2012年度末日以降、15名が新たに入会し、2013年度末日をもって8名が退会の予定である。
2) 会計中間報告(事務局)
a. 収入の部平成25年度会費に関して、会費を納めるべき200名中、納入者は128名(納入率64.0%)であった(2014年2月末日現在)。
※会費未納の会員は、払い込みにご協力お願いします。
学会誌販売について、雑誌51(2)と52(1)の購読料が1月28日を以て全ての機関からの入金済。52(1)より機関購読による販売先が1機関増えた。雑収入については、雑誌の別刷著者負担分、および、寄付が主である。
b. 支払の部
事務局の消耗品費は、学会封筒印刷費と茶封筒の購入による。通信・運搬費は、入退会に関する通知および振込手数料が主である。学会誌・ニューズレター関連郵送費は、会員への発送と再送費が主である。このうちニューズレター関連郵送費に・N度当初予算からの大幅減があるが、雑誌に同封して発送した号があったためである。本学会も協力団体となった日本心理研修センターへの寄付金については、年度当初予算に計上していなかったため予備費より支出した。また、共催学術シンポジウムにて本学会としての挨拶を求められた際の会長旅費についても予備費から支出する見込み。
c. 特別会計
利息収入の他は増減なし。
2) 2013年度事業報告(会長および各委員会)
a. [企画委員会関連]2013年度開催の年次大会(2013年9月19日、札幌コンベンションセンターにて開催)と開催中のウィンターカンファレンス大会について報告された。
b. [編集委員会関連]雑誌「行動科学」52(2)の編集状況について説明があった。52(2)は3月に発行、4月発送の予定である。※既に発送されています。お手元に届いていない会員の方がおられましたら、事務局までご連絡ください。
c. [出版委員会関連]ブックレット1から9に続いて、10<『 話す:話すときに何が起こっているのか?』宍戸恵美子 著(2013年11月30日出版)>が今年度に刊行されたことが報告された。新たなブックレットの執筆ならびに既刊の購入や販売への協力に関して、会員の皆様への依頼があった。
d. [広報委員会関連]現行ホームページの更新や新ホームページの作成状況、ニューズレターの編集について報告された。
【審議事項】
1) 2013年度決算および2014年度予算案について(事務局)
2013年度日本行動科学学会決算の書類(含、会計監査報告)及び2014年度予算案はホームページで公開をしております。以下URLよりダウンロードのうえ、ご参照ください。こちらは、3月末日の会計年度締め日までの決算とその会計監査の結果を示させていただいております。2014年度予算案についても、この決算を受けての繰越金を反映したものとなっています。予算案における支出分につきまして、増税分3%を考慮しても、概ね昨年度と同様の予算の範囲に収まる見込みです。ただし、大会補助費につきましては、学会から各大会運営者へ例年と同程度の補助を保障するために予算増としています。
2013年度決算
2014年度予算案
2) 2014年度の事業等について(会長)
a. 年次大会およびウィンターカンファレンス(WC)大会について
年次大会は、坂本敏郎年次大会委員長(京都橘大学)の下で、日心大会の前日9月9日(火)に開催することになった(本誌「第22回日本行動科学学会年次大会のご案内」をご参照ください)。WC大会については、岩田昇WC大会委員長(広島国際大学)の下で、2・3月頃の予定である(企画案がまとまりましたら学会ホームページやニューズレターにて案内がなされます)。
b. 学会員用のメーリングリスト作成について
前回総会にて提案されたメーリングリストの作成(会員への情報伝達をスムーズにしたり電子版のニューズレターを発行したりすること等を目的として)を進めることになった。メーリングリストの作成と維持管理については、ホームページ用サーバーの管理委託先にあわせて依頼する。このため、会員のメールアドレスをこの委託先に預けたうえで厳重な管理を依頼することになる。
c. ニューズレターのメール配信化について
メーリングリストの作成状況にもよるが、可能であれば今年度事業として、メーリングリストでのニューズレター配信を進める。メールアドレスが登録されている会員には、基本的にメーリングリストでのニューズレター配信に切り替える。ただし、メールアドレスが登録されていない会員やメールアドレスが無効の会員、従来の配信方法を希望する会員に対しては、紙媒体のニューズレターを郵送する。
3) 名誉会員の推薦について(運営委員会)
会則第5条に基づき、岡市廣成先生(2013年度まで正会員)に、2014年度から本学会の名誉会員となっていただくことを運営委員会として推薦することになりました。岡市先生の本学会や行動科学に対するご功績は多数ですので、一点のみ、1998(H.10)年4月1日から2003(H.15) 年3月31日まで本学会の会長をお勤めいただきましたことをここに記します。
4) 新役員体制について(運営委員会)
会則第6条の(4)と(12)に基づき、運営委員会として次期会長を現会長の津田彰先生(二期目)に継続していただくことを決定しました。これを受けて津田会長より、会則第5条(7)(8)(11)に基づき、新役員体制が以下の通り示されました。任期は2014年4月から2年間です。期日までに本役員体制への疑義の申し出がない場合は、承認されます。また学会運営の中断・避けるため、2014年4月1日から承認までの間も仮の役員としてご就任いただくことにしたいと思います。
【日本行動科学学会役員名簿・2014年4月〜2016年3月】
会長:津田 彰
事務局長:田中 芳幸
事務局次長:岡村 尚昌
運営委員:
<北海道・東北地区>田中 豪一、漆原 宏次
<関東・甲信越地区>柳井 修一、杉山 尚子、松田 英子、沢宮 容子
<東海地区>原井 宏明
<関西地区>内山 伊知郎、坂本 敏郎
<中国・四国地区>岩田 昇、大木 祐治
<九州地区>上田 幸彦、矢島 潤平
編集委員会:坂本 敏郎※、村田 伸、畑 敏道、種市 康太郎、水野 邦夫、浦田 英範、上北 朋子、井澤 修平、小田桐 匡、堀内 聡
企画委員会:川合 伸幸※、漆原 宏次、岡村 尚昌
出版委員会:坂田 省吾※、嶋崎 まゆみ、島津 明人、松田 英子
広報委員会:柳井 修一※、小川 まどか、高瀬 堅吉、伏島 あゆみ
会計監査:磯 博行、長田 久雄
※各委員会の委員長
【会員の異動】
2013年度中の会員の異動は次のとおりです(2014年3月末日現在)。
1) 入会者15名(敬称略)
藤代 晃向/遠藤 美行/大屋 藍子/亀井 美和子/古賀 綾子/上村 碧/中川 明仁/遠座 奈々子/岡島 義/青木 俊太郎/白瀧 康人/佐藤 豪/中谷 陽輔/岡田 ゆみ/上田 由喜子
2) 退会者8名(敬称略)
木村 裕/斉木 久代/神村 栄一/今野 義孝/獅々見 照/越川 房子/藤 信子/吉田 直樹
3) 住所不明者8名(敬称略)
植松 芳信/氏森 英亞/小川 亮/熊井 健一郎/坂井 明子/佐藤 武/杉山 雅彦/中野 和郎
※仮総会の後1名の方からご連絡をいただき、昨年度末と同一の方が住所不明のままとなっています。会員の皆さまで、住所不明8名の方の連絡先をご存知の方がおられましたら、ご伝言をくださいますようお願いいたします。
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5.若手の会からのご報告
(若手の会代表 高瀬堅吉)
【日本学術会議関連シンポジウム参加報告】
2014年3月7日、日本学術会議にて開催された「若手アカデミー委員会若手研究者ネットワーク検討分科会」、「シンポジウム:若手研究者ネットワーク活用に向けて」、「学際交流ポスター発表会」に・A日本行動科学学会若手の会代表として参加しました。初めに開催された若手アカデミー委員会若手研究者ネットワーク検討分科会(以下、分科会)はオブザーバーとして参加しました。分科会では、これまで議論を重ねてきた提言の内容についての最終確認、同日午後に行われる上記シンポジウムについての確認、そして分科会の今後の予定について話し合われました。私は、若手の会代表として日本学術会議で開催される会合に出席するようになり、同機関が果たす役割について知りました。ご存知の方もおられると思いますが、日本学術会議は内閣府の特別機関の一つで、政策提言、科学に関する審議、科学者コミュニティーの連携、科学に関する国際交流、社会とのコミュニケーションという役割を担っています。日本学術会議には様々なセクションが設けられており、今回、私はそのセクションの一つである分科会に参加しました。そして、この分科会でまとめられた政策提言は、先に構築した国内若手研究者ネットワークの経緯の説明、それを継続的かつ発展的に運用するための要件を要旨としていました。若手研究者ネットワークの役割につきましては先のニューズレターで紹介しましたが、今回の提言をもちまして、今後の科学政策では同ネットワークが積極的に運用され、情報共有の柱になるとの印象を持ちました。
次に参加したシンポジウム(若手研究者ネットワーク活用に向けて)では、分科会委員長の蒲池みゆき先生が「若手ネットワークの継続的運用と拡充に向けて」を報告し、次に大西隆日本学術会議会長が「学術会議の若手問題への取り組み」についてお話しされ、最後に文部科学省人材政策課長の松尾泰樹氏が「我が国の科学技術人材政策と若手研究者の育成」についてお話しされました。大西会長は、今後の若手アカデミー委員会の在り方についてお話しされ、同委員会は、今年度10月1日より委員会の名称が外れ、「若手アカデミー」となることが発表されました。これまでの委員会との明確な違いは定かではありませんが、組織として体系だったものになり、規模はこれまでの30数名から60名になることが紹介されました。若手アカデミーは30から45歳の若手研究者で構成され、構成員の任期は6年間になるとのことです。昨今、STAP細胞に端を発する若手研究者のあり方の問題など、今後は若手アカデミーで様々な議論が展開されるものと考えられます。また、次の松尾氏の発表では、博士人材のキャリアパスの多様化に関する国・フ施策が紹介され、その一例として、最近、各大学で取り入れられ始めているリサーチ・アドミニストレータ制度等のお話を聴くことができました。
最後に参加した学際交流発表会では、日本行動科学学会の活動内容についてポスターを使って発表し、実に多様な学会の若手の会の方々と交流することができました。発表に参加された団体名の一部が若手アカデミー委員会のホームページに掲載されています。また、当日発表に使用されたポスターもダウンロードすることができますので、下記をご参照ください。
若手アカデミー委員会ホームページ
【日本行動医学会学術総会シンポジウム参加報告】
2014年3月8日、日本行動医学会学術総会で開催されたシンポジウム「行動医学のコアカリキュラムの提案」にシンポジストしてとして参加しました。これは「2023年問題」を背景に開催されたシンポジウムです。日本を含む、米国・カナダ以外の医学部出身者が米国で医師国家試験を受けるには、米国医師国家試験の受験資格を審査するEducational Commission for Foreign Medical Graduates(ECFMG)を受験し、合格しなければなりません。医学教育分野における「2023年問題」とは、このECFMGが、2023年以降は国際的な認証を受けた医学部出身者以外の申請を認めないと通告したことを指します。この通告は2010年に行われ、それを受けて、2011年には全国医学部長病院長会議による「医学教育の質保証検討委員会」が発足しました。また、文部科学省大学改革推進委託事業による「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立」が採択され、東京大学、東京女子医科大学など5大学が連携し、同制度の確立に向けた活動を行うことが決まっています。そして、国際認証手続きの中で、カリキュラムの大幅な見直しが行われ、この過程で行動科学の重要性がクローズアップされました。カリキュラムの大きな枠組みにつきましては資料がダウンロードできますので、ご参照くださるようお願い致します。医学部における行動科学教育の重要性が認識されるに至った現在、カリキュラムの詳細について行動科学関連諸学会が知恵を持ち寄り、良質のカリキュラム構築のためのアイデアを出すことがシンポジウムの目的でした。私が医学部教員として勤務歴が長いことから、今回のシンポジウムで日本行動医学学会を代表して発表するよう津田会長・ゥら仰せつかり、参加しました。
シンポジウムでは行動変容テクニックの標準化に関する国際動向、行動医学コアカリキュラム作成の背景、日本保健医療行動科学会の活動、医学部卒業時に求められる行動科学に関するコンピテンシー、国際行動医学会が行った各国の行動医学教育に関する調査結果などが紹介されました。当該シンポジウムにおいて、私は「行動医学のコアカリキュラム提案に向けたJABSの取り組みと求められる役割」という題で発表しました。発表では始めに、日本行動科学学会(JABS)についての活動の歴史、会員の学術的背景、活動内容などを紹介し、次に、行動医学のコアカリキュラム提案に向けたJABSの取り組みについて紹介しました。具体的な取り組みの一例として、私が医学教育において行う行動科学の講義を紹介し、次に、学会全体として行うコアカリキュラム提案に向けた取り組み(行動科学事典出版に向けた議論、ブックレットの出版など)を紹介しました。他の行動関連学会と比較した際のJABSの大きな特長に、学会の守備範囲の広さと、行動科学の学問体系について議論を重ねる姿勢が挙げられます。JABSは行動の総合的な科学の構築という目標から様々な専門家が集う場として機能していますが、一方で学問体系に曖昧さを生じさせ、その結果、行動科学とは何かについて議論した歴史を持っています。JABSのこの特長は、行動医学のコアカリキュラム提案に際して、行動医学の輪郭を浮き彫りにすることに役立てることができると考え、これを発表の中で紹介しました。また、発表の最後に、これから変革を遂げる行動医学におけるJABSの貢献の在り方などについて意見を述べ、他の行動関連学会の方々を交えてJABSの役割について議論を深めることができました。資料のダウンロードは下記をご参照ください。
資料「医学教育分野別評価基準日本版(案)v08」
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6. 行動科学ブックレットシリーズ 原稿募集のお知らせ
(出版委員会委員長 坂田省吾)
行動科学ブックレットシリーズは、現在までに10巻が出版されています。
1 『覚える:覚えたことがなぜ思い出せなくなるのだろう』岡市広成
2 『飲む:あなたは何をどのように飲んでいますか?』磯博行
3 『やせる:肥満とダイエットの心理』今田純雄
4 『元気に老いる:実験心理学の立場から』岡市洋子
5 『生まれる:発生生物学から見る胎児の世界』杉岡幸三
6 『決める:意思決定の心理学』中西大輔
7 『吸う:喫煙の行動科学』島井哲志
8 『食べる:食べたくなる心のしくみ』青山謙二郎
9 『休む:ストレスと対処法』投石保宏
10 『話す:話すときに何が起こっているのか?』宍戸恵美子
価格は1冊600円です。興味ある巻の購入をお願いします。ご注文は二瓶社へ直接お願いいたします。情報は下記にあります。
二瓶社ホームページ
原稿は従来通りの方針で継続して募集していますが、出版費用につきましては、出版委員会にお問い合わせください。会員の皆さんの力作の原稿を募集するとともに、行動科学ブックレットの活用もよろしくお願い申し上げます。
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7. 編集委員会からのお知らせ
(編集委員会委員長 坂本敏郎)
2014年4月より、編集委員長をお引き受けすることになりました。現在、編集委員会では年に2回の学会誌を発行しています。編集規定に基づき、年次大会、ウィンターカンファレンスでの講演・発表内容は、依頼論文をお願いすることになります。学会員の皆さまからの投稿論文につきましては、基礎研究から応用研究まで、幅広い領域からの投稿をお待ちしております。編集委員の先生方のご協力のもと、迅速かつ適切な審査を行っていく所存です。本学会の目的に合致した学会誌の作成とその充実に際しまして、学会員の皆さまのご理解とご協力を賜ることになると思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
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8. 企画委員会からのお知らせ
(企画委員会委員長 川合伸幸)
今年度から企画委員長を務める川合です。どうぞよろしくお願いします。前年度までは学会の監査を、その前は事務局長と・A学会の内容というより運営や管理の面から学会にかかわっておりました。不慣れなことが多いのですが、久留米大学の岡本尚昌先生と北海道医療大学の漆原宏次先生という、それぞれ基礎と臨床に詳しい先生に委員に加わっていただいておりますので、このお二人の力を得て、学会をもりたてて行きたいと思います。さいわい、前企画委員長の和田博美先生が今年度の年次大会(京都橘大学 坂本先生 ご担当)とWC(広島国際大学 岩田先生 ご担当)の企画まで考えて下さったので、当委員会としてはあまり企画を考えることがないかもしれません。ただこの機会を活かして、以前から気になっていた、大会(WC)ごとの参加者のバラツキの原因がどこにあるのかを知りたいと考えています。地の利や周りの人に勧められたということで参加者が増えることもあるでしょうし、プログラムを見て参加を考えられるのかもしれません。参加者が多いことがかならずしも良いわけではありませんが、参加者が多いということは多くの会員の皆様のニーズに応えていると考えることができます。これまでの歴代企画委員会や運営委員会で、さまざまなプログラムが考えられてきましたが、いずれもトップダウン的に決められ、会員の方のご意見を伺う機会がほとんどなかったように思います。しかし、「生物・医学分野のイノベーションが心理学に与えるインパクト」という学術シンポジウムを企画し、さる3月2日に本学会共催のもとで開催しました。津田会長をはじめ歴代会長を含めた60名以上の方が参加されました。従来にも、年次大会とWC以外の企画(動物実験の実習等)がありました。そのように学会員の提案として年次大会とWC以外の企画も考えられます。磯前会長の大きな功績の1つとして、本学会ホームページの立ち上げがありました。学会の執行部にあたる拡大運営委員会のメーリングリストも整備しました。現在、「 jabs.office[at]gmail.com ([at]->@) 」にメールを送ると拡大運営委員会に届きます。しっかりとした企画でなくても、「このようなことを勉強したい」「この先生の講演を聴いてみたい」「こんなシンポジウムはどうか」というご意見・ご要望があれば、ぜひご連絡下さい。
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9. ホームページ掲載情報のお知らせ
(広報委員会委員長 柳井修一)
・s動科学学会では、関連する学会やシンポジウムの案内、研究助成公募のお知らせ等をホームページに掲載しております。原稿の書式等、掲載のお問い合わせは以下の担当までお願いします。
mailto:public[at]jabs.jp ([at]->@)
担当:高瀬堅吉・伏島あゆみ
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10. 事務局からのお願い
(事務局長 田中芳幸)
【会費納入のお願い】
過去未納分も含めた今年度の会費振込用紙を雑誌52(2)へ同封いたしました。学会の活動は会員の会費によって成り立っております。未納分のある会員の方は、お振込をよろしくお願い申し上げます。振込用紙を紛失された会員の方は下記口座情報をご活用ください。会費は年額4,000円です。
ゆうちょ銀行振替口座
00170-5-297639
他金融機関からの振込用口座番号
〇一九(ゼロイチキュウ)店(019)当座 0297639
【学会への登録情報ご確認のお願い】
冒頭の「重要なお知らせ」にあります通り、事務局に登録されている会員の皆さまの情報を雑誌52(2)に同封させていただきました。お目通しの上、最新の住所、メールアドレス等を事務局にご登録いただきますようお願いいたします。
【住所・所属等の変更について】
住所・所属等を変更された場合は、速やかに事務局までご連絡ください。学会ホームページ内に、登録情報変更・退会のための書式が準備されています。ご連絡の際に、ご活用ください。
http://www.jabs.jp/application.html
【所在不明会員の方に対するご伝言のお願い】
「会員の異動」にも記しましたが、現在事務局では、下記会員の方と連絡をとることができない状況です。所在をご存知の方がおら れましたら、下記の方から事務局宛に住所・所属等をご連絡いただくよう、ご伝言をお願いいたします。
(敬称略)植松芳信/氏森英亞/小川亮/熊井健一郎/坂井明子/佐藤武/杉山雅彦/中野和郎
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11. ダウンロード
2014年度No.1ニューズレター
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発行:日本行動科学学会
〒607-8175 京都市山科区大宅山田町34
京都橘大学優心館E413(田中研究室)内
日本行動科学学会事務局
jabs.office[at]gmail.com ([at]->@)
編集:広報委員会
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